細胞の老化はどうして起こる?

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老化はなぜ起こるのか と問うことは 正確な問いとはいえない。なぜなら、老化の起こるプロセスは科学によって、ある程度わかってきているが、それがなぜ起こるのかは 他の現象と同じく わからないことが多いからである。

 というより、

科学は、現象を説明することはできても、その原因について解明できるとは限らないからである。

 ましてや、その意義については 科学ひとりで説明できるものではない。単眼ではなく、複眼的視野を必要としなければならない。

 ここでは、あくまで現象する老化を生理物理面より探ってみることにする。

 

【なぜ老いるのかの老化の科学的解明は、今緒についたばかり 】

古くから人は、老いそして死が誰ひとりも避けられないことであることを知っていた。

 人に備わっている生存の本能は自分の権勢を守り拡大していこうという傾向がある。したがって、老化と死は衰えの象徴と見えたに違いない。今日に至るまで、その事情は変わらないのかもしれない。

健やかに天寿をまっとうするより、その前に病気で死にゆく人が多いのは今も昔も同じだ。

なぜ老いるのか(老化の原因)、老いを遅らせ若さを保つ(老化防止)良い方法はないのか、興味が尽きない関心事である。



現段階での老化学説は確定的なものはないが、いくつかの有力な学説に絞られてきている。
現段階で出てきている学説を挙げてみると次のものがあるが、研究次第で新たなものが出てくるかもしれない。
・生体内因性のもの
  遺伝子によるプログラム説、フリーラジカル説 、ストレス
・生体外因性のもの
 放射線、紫外線、化学物質、


1.プログラム説(遺伝子によって、老化が決定されるという説)
  老化遺伝子説
 この説がなぜ有力なのかというと、遺伝子が老化に関係してるということが分かっていたからである。

 ヒトの場合、遺伝子に老化に関係のあるものが、特定されつつあります。
第一、第四、第六、第七、第十七染色体上に老化遺伝子があることがわかり、老化の過程を遺伝子が支配していることが、最近の人の細胞融合技術の研究はからわかってきている。゜

ガン細胞は不死細胞といわれるように無限に増殖する。それぞれの細胞が勝手に増殖し始めると生体の統一を乱すことになるから、それを抑えながら全体のバランスをとって生きているのである。

つまり、生体は老化とガン化との微妙なバランスの上に成り立っているといえる。このバランスのかじ取りはとてつもなく高度な機能であるが、その機能に影響を与えるのが老化遺伝子という関係になっているらしい。

ヒトの細胞一つには、23対46本の染色体があるが、 染色体に老化に関係する遺伝子が存在するといわれている。プログラム説がなぜ老化の有力な学説かというと、下記の早老症とガン発生・成長と裏腹のあるいは表裏一体の関係にあるということを科学的に解明しつつあるからだと言えるかも知れない。

 それは、また、酸素とフリーラジカルの関係とも同様であることからも解る。
酸素(さんそ)は、生物にが生きるためになくてはならないものであると同時にフリーラジカルという毒でもあるからだ。

酸素を吸う以上、フリーラジカルは発生する。SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)などの抗酸化物質が充分に働いている間は瞬間瞬間フリーラジカルの毒を打ち消していけるが加齢とともにこの働きが鈍ってくると、フリーラジカルの悪影響が大きくなっていくことになる。それが種々の致命的な病気や老化に拍車をかけることになるのである。かといって生きている以上は呼吸によって、酸素を体内に取り入れないわけにはいかない。生存にとって「諸刃の剣」であることには違いない。、

早老症(プロジェリア:プロゲリア)
普通の人のように、10代、20代、30代・・・と次第に老化してゆくのとは違い、幼年期より普通の人の10倍の早さで老化してゆくのが早老症(プロゲリア)という病気がある。

プロジェリア症候群:
プロジェリア症候群(プロジェリアしょうこうぐん Progeria)とは、早老症の1種である。
代表的な遺伝子疾患の1種にも挙げられている。
 
2003年に、プロジェリア症候群の原因遺伝子が特定された。
これは、ヒト1番染色体上にある遺伝子の異常で、
それも正常遺伝子と比較して構成塩基が1個だけ入れ替わっている、という物であった。
これによって、DNAヘリカーゼという酵素に異常が発生。
染色体が傷つけられることにより、生後6ヶ月から2歳頃までに発病する。
患者の体細胞は、核が正常な細胞と異なり大きくいびつに歪んでいる。
この事が、正常な細胞分裂がおこなわれず、
さらに老化の促進を引き起こす最も大きな要因に挙げられている。
 
(プロジェリア症候群 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)



ウエルナー症候群
特徴:鼻がとがって口が小さく、身長が高く手足が細長いという外見上の特徴がある。また、白内障、性腺機能不全があり、悪性腫瘍になりやすい。8番染色体上の遺伝子異常が関係している。日本での発症頻度は10~20万人に1人とまれですが、諸外国の約100倍と多く、日本人に多い遺伝病とされている。
 ウェルナー症候群:
ウェルナー症候群(ウェルナーしょうこうぐん)は成人発症型の遺伝性早老症のことである。
 
1904年にドイツ人眼科医オットー・ウェルナー(Otto Werner)によって
アルプスの谷間に住む4人兄弟の患者が初めて臨床報告された。
幼年発症型の遺伝性早老症であるハッチンソン・ギルフォード症候群と
それとほぼ同じ症例のプロジェリア症候群があるので、
この2つに対してAdult Progeriaと称される。
患者は低身長、低体重、白髪、両側性白内障、皮膚の硬化・萎縮、嗄(さ)声などの外観を呈し、
臨床像として耐糖能低下、骨粗鬆症、性腺機能低下、尿中ヒアルロン酸量の増加が顕著である。
多くの場合、平均40-50歳で動脈硬化もしくは悪性腫瘍が原因となる疾患によって死亡する。
 
本症は常染色体劣性遺伝病であり、
ヒト8番染色体上にあるWRNとよばれる単一遺伝子の異常が原因である
ことが突き止められている。この原因遺伝子は正常遺伝子と比較して
正しく並ぶ4つのDNAのたった一つのDNAの並ぶ順番が違っただけである。
この遺伝子の役割はまだ完全に解明されていないが、
DNAヘリカーゼと呼ばれる酵素タンパクをコードしており
染色体の安定性の維持や遺伝子修復に関与していることがわかっている。
 
  (ウェルナー症候群  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)



クラインフェルター症候群
 クラインフェルター症候群とは、男児が生まれつき余分なX染色体をもっている(XXY)疾患。
特徴:知能は正常かやや低め、発語と読むことに障害が認められる、言語能力に問題があり社会的関係や行動にも影響が懸念される、思春期に現れる、
治療:言語療法が奏功、一部に男性ホルモン補充も有効

コケイン症候群
先天性の遺伝子異常ですが、視力障害、聴力障害、中枢神経を来たし大抵は20代で亡くなってしまう病気です。 ...

広義の早老症としてダウン症候群を加えることもある。



 エ!~幼年期から老化始まるの?とびっくりした方もいらっしゃるかも知れませんが。普通の人でも、生まれた時から老化は始まっている。

老化の影響が身体にはっきり顕れ、身体の機能の衰えを本人も自覚せざるを得ない時期が歳ごとに強くなってくるのが50代以降となる。人によってはそれが50代以前なのかも知れません。

というのも、若いときは、老化による身体へのダメージを防ぐ機能が充分働いているので、老化に気づくこともないわけです。



2.フリーラジカル説(いずれの老化学説をとるにしても 、老化の現場には常にフリーラジカルが関与しているとしている点に着目している学説)

  フリーラジカルは、老化やガンばかりでなく、神経細胞の傷害や変性を引き起こす元凶とされている。ガン・糖尿病などの生活習慣病や老化は、フリーラジカルが発生するとき細胞膜、ミトコンドリア、などに酸化的傷害を被ることが主な原因であるとする。



3.環境影響説(遺伝子によって、老化が決定されるという説
  老化遺伝子は、誰でももっているもので、いつ始まるか、老化が病気にすぐ結びつくかは人によって千差万別であるので、遺伝子のみで老化を決定するのではなく、環境からの影響、生活習慣も大きく影響しているはずだとする考え方。

 以上の老化に関する考え方をからすると、老化の原因はある程度の幅はあるものの個の生体が老化を避けられないものとみるか。老化の過程でも生活の質を維持し、豊かな充実したものにしてゆこうとするかどちらの姿勢をとるべきかを決める必要があるではないかと思う。


プログラムと言えば、ヒトの誕生から死まですべてプログラムとして見るという現代の科学からすれば、かってない長所でありまた大きな陥穽でもある。

わからないことを神の領分として不思議がる必要もなく、原因・結果の法則に則って理解し個の責任として対処すればよいという人間個人の範疇の事柄とすることができるというが長所と言えよう。

 他方、人はなぜ老化するのか、なぜ死ぬのかという問題は単に物理的側面で論じられるものではないことは言うまでもないが、「長生きすればいい」という発想だけで、もう片面の「つまり精神的な質の面、苦悩・苦痛・種々の災厄からの解放、充実した人生の確立、他人への慈悲や寛容等の人間的価値が疎かにならないかという点が懸念されるところである。

生命が心身一体の複合体という前提に立てば、長生きして、自己中心的な感覚的楽しみを長びかせるためだけの長生きが目的なら、こんな虚しいことはないのではないだろうかと思うからだ。

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