「マクガバン・レポート」の言わんとする要点はこうでしたね。
①心臓病、ガン、脳卒中等の病気の原因は、食源病である。
②正しい食事によるバランスのとれた栄養補給をすれば、病気はかからない。
③従来の医学は、栄養学に疎い「片目の医学」であった。医師の再教育が必要だ。
④20世紀の医学は一つの思考回路に偏り、栄養知らずの医者ばかり生んだ。しかも、その片目性に気づかず、現代医学の弱点をさらけ出した。
・・・と、まあこのようなことでしたね。
「マクガバン・レポート」のメンバーの1人、パーシー議員はこう言っています。
「フンザにはガンも心臓病もない。それなのに先進各国はこういう病人で
いっばいだ。われわれの文明の中には何かが起こっているのだ。そして
とくに、それも20世紀に入ってから、その何かが急激に強まっている。
なぜならばガンも心臓病もその他の病気も今世紀初め頃のアメリカでは珍しい病気だった。それなのに今ではこういう病気の急増によって世界一豊かなわが国が国さえ財政的にパンクしかかっているほどである・・・」
(*フンザ:パキスタンの北部山岳地帯、カラコルム山脈に抱かれる
「桃源郷」として知られる地。映画「風の谷のナウシカ」のモデルの地。
「長寿の里」としても有名)
同議員はフンザを訪問してから食生活をアメリカ的でないものに変え、以来健康そのものだという。
なによりも、「20世紀初頭には同じアメリカでもガンや心臓病は珍しい
病気だった」というくだりが注目です。
同委員会の審議時点のアメリカの心臓病死は全死因中の40%弱で死因の
トップに位置していた。いまだってほとんど変わっていない。
これに対し、20世紀初頭には、心臓病は全死因中わずか8%。現在までに十数倍に増えていることになります。
どうしてこうなったのか。
マクガバン委員長は、「食事改善目標」を発表するに当たり、アメリカ国民に向けて、こう言った。
「20初頭に比べるとアメリカの食生活は悪い方向に変化したのだ。これが全ての原因だった。しかもそれに誰も気がつかなかった。」と
20世紀初めより7、80年前の食事に比べバランスを失った悪いものに
なっていたということなのです。
アメリカ国民は、もともと肉食をしていたわけでなく、7、80年かけて
次第にいわゆる欧米風の食事に変わっていたのです。
その間食事の内容がどう変わっていったのか言うと。
○ 植物食品からのでんぶん質の摂取が減り、その分脂肪が増えた。
○ 蛋白質全体の比率はあまりら変わらないが、植物性の蛋白質は減り、
動物性の蛋白質はその間2倍以上に増えた。動物性蛋白質型食生活に 変わった。
このような食事の変化がどのようにしてさまざまな病気を引き起こす原因になるのかを、マクガバン委員会は国の内外から多くの専門家を呼んで審議調査し、アメリカ国民のみならず世界中にことの真相を明らかにしたたのでした。
このマクガバン委員会は、政治家のみのの集団です。委員会の発足動機も
政治的です。審議そのものが、各分野の反発は当然予想されたはず。委員の政治生命すら危険にさらすものであっただろうと思われます。医学界、医師、製薬会社、食肉・乳製品会社等の利害関係者の影響は大きいものがあったはずです。
それでも、その審議・調査は遂行されなければならなかったのです。それほど国家の財政を圧迫していたからです。追い込まれていたのは、医療費増による国家財政ばかりでなく、アメリカ国民の健康つまりアメリカの将来だったのです。
日本や先進諸国はも、おなじような軌跡を辿っています。だからこそ、このマクガバン・レポートは重要なんだと思います。
マクガバン・レポートの明かしたもの ③
前回、「マクガバン・レポート」が発表された当時の衝撃性について少し触れましたが、その要点を少し詳しく説明します。
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