赤血球の生涯

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この街、あの街、世界のいたるところで日々、みられる光景。縦横無尽に車や乗り物が走り、物や情報が行き交いする世界の見慣れた光景。

こういった動きが、基本的に、われわれの体の中でも日々繰り返されていますよね。

とは言っても、外界は三次元の世界として目で見えますが、体の内部はそう簡単には見ることは出来ません。

普通、われわれは自分の体でありながら、体内部のことはどうなっているのかわからない。

人間ドックや検査を受ける機会に、体内部の局所を画像や写真で垣間見る程度の経験しかないのが、普通ではないでしょうか。

飲み食いする段階までは承知しているとして、口に入れてから食物が食道・胃・腸を経過して便として一巡するくらいのことは知っていても、食物が消化され、大腸や小腸で吸収された栄養素や水分がどのように各器官に運ばれ、利用されているか。

われわれが一向に気にすることなく、寝ている間も休むことなく、延々と心臓は鼓動し、筋肉は思い通りに伸び縮みし、脳はものを考えたり喜怒哀楽を感じたりすることができる。

当たり前に思っていることが、実は体で行われていることは精緻で絶妙なしくみで頭から足先まで有機的に統合されされているのです。

この光景、何かと似ていませんか。

そう、赤血球の動きとです。

赤血球といえば、酸素や栄養分を各細胞に運び、帰りに細胞から放出された老廃物を持ち変えるというイメージですね。

赤血球にも寿命があります。

赤血球の誕生から老衰までの課程は、骨髄の赤血球中にある造血幹細胞から誕生し、血球芽細胞、赤芽球、網状赤血球へと分化してゆき、血液の中に入る直前に脱核します。この脱核した状態で、ようやく一人前の赤血球中と呼ばれるようになるのです。

脱核というのは、核がなくなるということです。

脱核の前に、DNAから情報を受け取ったRNAは既に核の外へ出ているので細胞質に残っているのでたんぱく質をつくることはできます。

ただ、核がないので細胞分裂は出来ません。つまり複製ができないままに120日間生き続け。ついには、マクロファージに食べられてその一生を終えるのです。

赤血球の体内における役割は、ヘモグロビンによって、酸素を全身の細胞にくまなく運び届けることです。

個々の役割を、黙々とやり終え、次の世代につないでいく姿は人間の一生ともダブってきて、なんとも健気な感じがしませんか。

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